京都のお土産

今回の京都行きに際して、早速お茶の先生から教えてもっらった
亀屋則克へ向かう。



そこはイノダコーヒー本店にほど近い場所にあり、今までの出張にて
何度も通り過ぎていた場所だったのにも関わらず全く存在すら知らなかった
くらい目立ちはしない佇まいのお店。
これぞ京都の老舗菓子屋というくらいだ。



店内に入るとそこは想像していた通り、小さな帳場の畳の季節の和菓子が
入っている塗り箱と干菓子が数個置いてあるだけ。


その先奥の桐箪笥の前にある帳場、なのか作業台にご年配の大女将が
やって来る。



和菓子作りの小道具(木型など)や箪笥が並ぶガラス棚は何とも雰囲気が
あり歴史を感じさせてくれ、自ずと期待感に胸が踊る。



使いこまれた箪笥の上にはお菓子の絵が飾られ、この座売りの小さな座布団に
腰掛けて、先ほどの塗箱にある見本の菓子から注文をする。


奥には厨房があり、家族だけでお菓子作りをされているので量産は
できないと言う。丁寧に、ここで売られる分だけの製造だからより
有り難いのだろう。



亀屋則克と言えば「浜土産(はまづと)」と教えて頂いた。
季節限定のそれは蛤の貝の中に琥珀羹をつめ、さらにその中に
浜納豆を1つ浮かべたもので、ちょっと滲んだ感じがより涼しさを誘う。


「よく冷やして頂く」これは女将にもさんざん言われ、
まるで玉手箱を決して帰るまで開けて見ないでください、と言わんと
ばかりに堅く約束をされた。



しっかりと密封された貝の間を何とか開くと、黄金色の琥珀羹がきらきらと
光っている。
かなり弾力があって甘い中、浜納豆の塩気が見事に味のアクセントと
なっている。


大女将との話が妙に弾み、かれこれ1時間程滞在してしまい、返り際には
奥の箪笥の引き出しから出した干菓子をお土産に持たせてくれた。


有り難う女将さん。




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