華紋のこと

第一礼装の黒留袖には五ツの紋、色留袖には三ツ紋(一般的な場合)など、
紋が入るきものの種には主に取り決めがあり、常識としてそのしきたりに
習い着用をされていることと思います。


地域別に「紋」の取り決めもいくつか存在し、女紋を重んじる地域から
嫁ぎ先の家紋を入れる場合など、私も普段お客様に接する際に最も
気を付けていることの一つであり、一概に決めつけて入れることは
できないデリケートな取り決めなのです。


同じ家紋でも「染抜き紋」・「縫紋」との種類があり、
抜き紋の中では「日向(ひなた)」、「中陰(ちゅうかげ)」、
「蔭(かげ)」と3種類の紋があり、日向紋が一番格が高くなります。


それに対して「縫紋」は字の如く刺繍にて用いる家紋であり、
「抜き紋」よりは格も一つ下がり、大げさではないが家紋を一つ
入れて礼を重んじる際などに用いられることが多く見受けられます。





先日お誂えの際に家紋ではなく、洒落感をだしたいために「華紋(はなもん」
を入れるにあたり、きものの柄に合わせて独自に図案を興すことから
始めることに。


「華紋」とは「加賀紋」ともいわれ、主に洒落紋として用いられる
いわば飾り紋といったところの表現が一番わかりやすいのかも知れません。





縫い紋柄を一から創作して、その中の色糸をきものの意匠に合わせて
配色する。


時として自分の家紋を、草や木々で囲った周りの中に配置をする場合も
見受けられますが、今回は家紋に関係のない装飾的にすることで謝恩会
などのパーティー着として華やかさを出すために、用いる色糸もきものに
合わせてバランス良く配色することに。


細かな気配りをしすぎてあまりある、きものの大切なポイントなのかも
知れれませんね。




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