塩瀬地七宝繋ぎ染帯

「塩瀬地七宝繋ぎ染名古屋帯」昨日に続き、染帯のご紹介を。

染帯は得てしてお洒落に偏りがちに感じられている方も多いかと思いますが、
昨日紹介した染帯同様、こちらの七宝繋ぎ柄の染帯も、どちらかというと
少々かしこまった部類に位置づけられます。

吉祥文様の七宝を流れに沿って中に繋ぎ合わせて、部分的に金泥で描いて
いるところがアクセントになり、あえて金駒刺繍などを入れずに、スッキリと
清楚に表現した飾らないけれども品格のある一筋。

地色と配色のバランス、そして七宝文様の中に手描ならではの暈しを入れた
抜群のセンスではないでしょうか。

シボ感のある茶地（チョコレート色ともいうのでしょうか）色無地を
合わせると七宝柄の配色にも同様、調和され馴染んだ取り合わせと
なります。

グレー地の江戸小紋にも優しい取り和合わせとなり、用いる紐ひとつで
季節感の演出をしてくれる楽しみもあるのでは。

今回、合わせたきものは鮫小紋、竺仙製ブルーグレー地。
単純なグレー地ではなく、重ねた染色による深味のある独特の良い
地色だからこそ、その「もの」の調和が取れているのではないでしょうか。

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