当日の気分で合わせる小物

昨日の北海道・道東地方では最強の暴風雪となり、3月での積雪がついに
過去稀にみるほどに。
春が近くなったと思いきや、これではまだ雪解けは遠いのでしょうね。

朝早くから家の前では除雪作業に勤しむ人が往来し、我が家でも出勤前
約2時間をかけて雪との格闘となる。

先日、経錦袋帯を納品した際に小物合わせのご依頼を承ることに。
東京での観劇に出向く際にお召しになられるということで、楽しい
取り合わせがご希望。

きものは墨黒地の結城無地に合わせ、羽織りは小豆色・綸出し絞り梅柄。
深い小豆色の羽織りが洒落ていてアクセントには覿面だ。

帯揚には薄いグレーの竜巻絞りを用いて、帯〆に効いた色目をご提案。
錆びたオレンジや柿渋の深緑、色々と合わせていくうちに「商売上手ね」と
言われて数組み揃えることになったのだが、肝心の当日着用にての紐が
決まらないのである。

最終的に東京での着用時の天候に合わせて、数本持参し当日朝にどれかを
選ぶことになったのだが、どの色を合わせてもしっくり合う取り合わせほど
おりこうさんな帯も中々珍しい。

経錦の組織は基本3色の経糸から織り成る。
以前5色の経錦を扱ったこともあるのだが、柄は細かく織り上げることが
できても風合いに厚みがあり過ぎて、締めた感触がごわつくきらいが感じ
られた。

今回の観劇、東京での着用時にどの色を合わせられたのかを楽しみに
ご報告を待つことにいたしましょう。

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