紙縒(こより)紐の話。

今日の北見地方にはまだ、うっすらと雪が残っているところも多く、
朝晩は特に冷え込んでいます。


今日は当店で使っています「きもの文庫(たとう紙)」のお話を少しだけ…。


以前から当店でお誂えさせて頂きましたおきものや帯などは、
別注した店名入りのきもの文庫にお入れしてご納品しております。


文庫に使われる和紙は黒谷和紙を用いて、職人が丹精に一つ一つ手作りで
作られています。




当店は、京都堀川にあります調度品専門店にて、いつも文庫を別注して
おりますが、先日お店の当主から電話があり、文庫に使われている紐部分の
「紙縒(こより)紐」を作る職人さんが廃業されると連絡がありました。



紙縒(こより)とは、細く切った和紙を撚って糸や紐のようにしたもので、
一般的にはこの紐部分は紙テープなどで代用する呉服屋さんが多いそうですが、
当店ではこだわって、昔からこの「紙縒(こより)紐」を用いた文庫でご納品
させていました。




和紙の織り成す紙縒(こより)は、古くから現代に受け継がれている
日本伝統の技でした。


古く江戸時代には、ジャンケンでなく紙縒りを撚り、二人でその両端を
親指と小指にはさんで引き合い『引き抜けた方を負け』として勝敗を決めていた
というくらい一般的なものだったそうです。


そんな日本の伝統技術がまた一つ無くなってしまうのは本当に残念です。


当主のお話によると、日本製の手作りの紙縒(こより)ではなく、
中国製の紙縒(こより)はあるとのことでしたが、その繊細さには違いが
大きいですよとのこと。


これは大変だ!と、和紙屋さんに今ある紙縒(こより)を全て買い取り、
数年分の文庫を作ることにしました。




こちらの反物入れの文庫は、すでに紙テープに変ってしまいました(涙)。





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