綴なごや帯「光悦垣」

今日の北海道は秋晴れの過ごしやすい一日となりました。



先日ご紹介しました「隣雲石文」に続きまして今回も川島織物で
別注して制作いたしまた綴帯のご紹介です。




綴なごや帯「光悦垣文」。


光悦垣は古くからしばし着物や帯の意匠として活用されてきている
淋派でも代表的な図案でもあります。




薄ベージュを使用した優しい地色に対して、藤色がアクセントになり
格調も持たせるために金糸で垣の文様を織り上げました。




前柄には少し小振にした光悦垣を。
柄の切れ目となる擦れ具合に注意を払い、優しい中にも淋派本来の迫力も
忘れぬようにしています。




金糸で織り上げられた垣の柄と、その空間に用いられた藤色それぞれに
川島織物が持つ綴織技術「割り杢(わりもく)」ともいわれる技術で微妙な
暈し(ぼかし)具合を演出して奥深さを出しています。





割り杢とは、染織された綴れ糸を分割(糸を剥がす)してから、その分割した
違う色糸同士を再度組み合わせて綴れ糸に再復してから横糸に用いて織り上げる
ことで、自然な暈かしが表現される非常に複雑で、根気のいる作業です。




先日に川島織物の織工場に打合せで行った際には、ちょうど図案を出しました
この光悦垣の製織が行われていました。




別注品を製織している工程はなかなか見る機会がなかったので
心ドキドキしながら出来上がりを待つことに!




原図案では平面的な絵柄となりますが綴織の場合、実際織り上げる職人の持つ
技術とセンスが重要となりますね。




配色原票には、この図案の全ての色見本から始まる工程表が納められています。




京都・鷹ヶ峰の地にはその昔、徳川家康から与えられた土地に
本阿弥光悦が作った職人たちの住む集落があり、
現在は光悦寺となっています。




その庭の垣は竹を斜め格子風に組んだもので光悦垣とよばれ、
非常に洗練されたデザインは戦国末期から江戸時代初期に生きた人、
粋人である光悦の姿を想わせます。





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川島織物展 

Exhibition from Collection Kawashima Tcxtile Museum.Kyoto -

▶ と き : 10月28日(金)〜30日(日)3日間

▶ ところ : パラボ5階 催事場

▶ 観覧料 : 無料

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●宮川呉服店 オフィシャルホームページ http://www.miyakawa-gofuku.jp

●お問い合わせ info@miyakawa-gofuku.jp

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