紋のこと

「紋」とは正装なきものに対して必要不可欠な存在となり、第一礼装の
黒留袖からはじまり、そのきものの格式が下がるにつれて、紋の種類や
数が変ってきます。


同じ紋でも、地域的に関東と関西では考え方に違いがあり、関西では
代々娘は母の紋をつけることから、兄弟であっても男子と女子では
紋が違い、また夫婦でも紋は違った紋を入れることが多いとされています。


一方関東では女紋をつけるよりも、その嫁ぎ先の家紋をつけることが多く、
また、関西は女性の紋に丸を付けることは少なく、対して関東では丸を
入れることが多くみられます。


一概に関東関西だからといって、上記のことが全て当てはまるわけではなく、
その他出身地域によっての風習や、嫁ぎ先の言い習わしなどによって当然
例外はでてくるのですが、ここ北海道は特に出身地域がバラバラなため、
その紋に対する考え方も多く異なります。


紋の紀元や歴史概要に関しては、私がくどくどと書き述べるよりも、
Wikipediaの「家紋」などから検索してご確認ください。




抜き紋と刺繍で入れる縫い紋の選定は、そのきものの格式によって判断をされ、
一般的には色無地には染め抜き紋、附下には縫い紋を入れるということが多く
みられますが、それもやはりお召しになられる場所や用途によって変ってくる
場合があるのです。


どのきものに、どの種類(抜き紋、縫い紋)で入れた方が良いのかは、
その地域性や用途、今後の活用性までしっかりと確認してから入れなければ
ならず、ここで大事なのはきものと紋の格式が合っていなければいけません。


私は良く縫い紋の色糸をお客様から任せされる場合が多く、これがまた
責任重大になってくるのです。


一般的な共薄(地色に対して少しだけ薄い色目)や共濃(地色に対して
少しだけ濃い色目)だけではなく、そのきものが袷かひとえによって、
入れる紋糸を選別しなければいけません。


共薄色は場合によって糸色が薄すぎると、格式が無く感じられる場合もあり、
逆に共濃色は濃すぎた場合、やぼったく感じられることもあることから、
簡単に「共濃で」なんていう訳にはいきません。


合わせる帯や、お召しになられる場所などによって、その紋の色糸が
果たす役目は非常に大事になるために、いつも色糸を何色か用意して実際に
きものに合わせて判断をしなければ、任された責任は果たせることは
できません。







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