葛藤

澄みきった空気に自分の白い息だけが大きく感じられ、少しでも気を抜くと
凍えてしまいそうになるのが日常と化しています。


新年のご挨拶が過ぎた今時期は初釜、踊り初めに弾き初めなど、伝統芸能
各分野での集いが多くなり、特に週末土日は集中しての行事続きとなります。


仕事柄、様々な伝統芸能の師とよばれる方々と接していて共通することは、
新年にかけての挨拶事も立派な修行のひとつと、皆口を揃えて言われる。
礼に始まり礼に終わる日本文化の基本中の基本なのだろう。





今日は新春の装いに相応しい袋帯のご紹介を。
加良錦袋帯「菊畑文」川島織物作。


加良錦との名通り、錦織りにだるま糸を使用している唐織技法を併用して
織り上げた一筋。
浮き立つだるま糸の背景に金彩の錦織の細かさが引き立ち、立体感を表現
してくれていますね。


品の良い薄色の訪問着に合わせ、全体の着姿で調和させるのも上品、
反対に濃地の着物に合わせれば、帯の格を全面に引き立たせもする。





先日ブログで伝えた夏帯の図案で昨日から連日制作側と電話連絡をするの
だが、どうもすんなり決まらない。
自分自身決めきれないのか、どこか迷いがあり悩んでしまうのです。


それにしてもこの帯の中の効き色である濃いエンジ色は見事な色で全体を
締めてくれるから感心する。

出来上がりの帯を見ていると簡単に意見は言えても、図案の前では言いたい
気持ちが言葉に出てこない。
葛藤は続くのである。




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