漆箔のこと

先日まで開催されていた川島織物展の中で、京都から来場して頂いた
伝統工芸士・松井先生の手掛ける技「漆」。


漆は空気中の水蒸気が持つ 酸素を用い、生漆に含まれる酵素(ラッカーゼ)の
触媒作用によって常温で重合する酵素酸化および空気中の酸素による
自動酸化により硬化され、酵素酸化はその時の湿度と温度にかなり左右されます。


湿度70%以上、温度25℃以上(ちょうど熱帯夜ぐらい)で活発に硬化、
この状態に近づけた場所もしくは入れ物を室(むろ)と言います。


室の中で約一週間程かけてゆっくりと硬化し、
乾いたら室から出して次の色を重ねて塗ります。


そしてまた室で一週間かけて乾かすという、たいへん手間と時間が
かかる塗料(もしくは接着剤)ですが、一旦乾いて硬化した漆は酸にも
アルカリにも侵されません。


縄文時代から縄に漆を塗ってたといわれ、その縄が発掘された
縄の部分は跡形もなかったのだが漆は縄の周りに塗られた状態の
ままだったそうです。


※漆説明文は「漆箔工芸京都Azura」より引用。
「漆とは」http://ameblo.jp/azula-kyoto/entry-11567816121.html





そんな漆箔を裁断して帯に織り込むという、手間暇を惜しまない工程を
この度iPhoneケースに実現。


黒漆を塗り乾かしてから青漆を重ねて塗り乾かし、次に炭で青漆を
部分的に研ぎ出す。


その上にまた生漆を塗ってプラチナ箔を押して乾くまでに刷毛で
摺ってプラチナ箔を落としながら鍵型の模様をつけるのだそうです。





会期中お客様のお一人は自分だけの別注携帯ケースの制作依頼を
依頼されるほど漆箔に魅了されていたのです。


普段は京都西陣で帯の制作に取りかかる傍ら、もっと日本人に漆箔の
良さを日頃から身に付けて頂きたい想いから携帯ケースも制作されています。


松井先生主宰「漆箔工芸京都Azura」HP
http://shop.azula.kyoto.jp/




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創業170周年記念 悠久の美 川島織物展
有り難うございました。

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