小倉淳史 夏なごや帯

この時期、ひとえから盛夏にかけての帯選びは袷の取り合わせ以上に
気を使うところ。


小倉淳史(おぐらあつし)作、夏なごや帯。
夏紬から絽小紋まで、かたい・やわらかい両者を選ばずに締められる一筋。



夏紬に辻が花の染め上げが美しく、
袷には決して用いない色遣いが、夏ならではの涼感ある着姿を
演出してくれます。



大胆な波に青楓を見事に絞り染とカチンで表現。
また、青地となる鮮やかな地色が季節感を演出してくれています。


夏紬の生地は、微妙な透け感に手紡ぎ糸から織り上げられる節(ふし)が
あたたかみを演出し、絹独特の光沢と手触りの良さに加えて素朴な味わいを
持ち合わせています。



小倉淳史は幻の染めと言われた辻が花染の研究・復元に数多くの
功績を残された、父・小倉建亮氏に師事。


徳川家の小袖修復なども重ね、確かな技術と本物の辻が花を現代に
継承する「創作と伝承の中間点」を求め続けています。



小倉淳史 略歴】
1946 京都生まれ
1975 第22回 日本伝統工芸展 初入選
1981 第02回 全国青年伝統工芸展 最高賞
1989 日本工芸会 正会員に認定される パリ展「美は東方より」
1991 個展 「墨色の情景」 東京:赤坂遊ギャラリー
1993 第30回 日本伝統工芸 染織展 日本工芸会賞   
1997 第34回 日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社
1998 紺綬褒章 受章
2003 第32回 日本伝統工芸近畿展 京都新聞社
2005 第39回 日本伝統工芸染織展 日本工芸会会長賞
2009 第43回 日本伝統工芸染織展 日本工芸会
2015 第49回日本伝統工芸染織展 文部科学大臣


【復元・再現の記録】
1984 NHKの依頼により国友家所蔵、徳川家康の小袖
    「亀甲重ね模様辻が花」を吉岡常雄氏と共に復元
1988 NHKの依頼により徳川美術館所蔵、 徳川家康の小袖
    「葵紋散し辻が花」、「槍梅模様辻が花」を復元
1993 浅井長政婦人(お市の方)小袖
    「段模様肩裾辻が花 」画中資料を切畑健氏の
     指導により再元(染技連)
1998 京都国立博物館所蔵の小袖
    「藤棚に亀甲つなぎ肩裾模様辻が花」の欠損部分を復元(染技連)
2004 CBC TVの依頼で徳川美術館所蔵、
    徳川家康の羽折「波にうさぎ模様辻が花」を復元(染技連)
2005 関西学院大学の依頼で東福門院の小袖
    「立波網目に花丸模様絞り染 」を河上繁樹教授の指導により
     再元(染技連)
2006 友禅史会所有の「束熨斗模様振袖(重要文化財)」の欠損部分を
    山川暁氏の指導により復元(染技連)
2009 島根県太田市 岩見銀山世界遺産センターの依頼により、
    徳川家康の丁字文小袖(重要文化財)を河上繁樹教授の
    指導で復元(染技連)



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