微塵縞

気温が一気に下がり、北海道もやっと遅い秋の訪れといったところ
でしょうか、今までの暑さから解放されたように外では紅葉が急速に
感じられます。


一昨日から北見を離れて、本店のある湧別にて仕事をしているのだが、
ここ湧別町オホーツク海側に面しているということもあり、
気温がまた低い。


北見から車で一時間足らずの距離にありながら、平均気温は5度は低く、
定期的に通っていても、夏は程よい避暑になるのだが、冬は一転して
極寒に感じられる。


またこの寒い冬がやって来るのかと思うと、今から思いやられる気分に
なります。



先日まで開催していた江戸小紋展の中から、人間国宝「児玉博氏」が
彫った型紙を用いて染め上げた木賊(とくさ)柄の江戸小紋


児玉氏はすでにお亡くなりになられているため、今やこの型紙は彫る
ことができず、特にこの木賊江戸小紋の型紙は寿命を迎えて、現在は
使用することができない貴重な一点。


江戸小紋の型紙は一枚につき、きもの約20点ほどしか染めることができず、
どの型紙にも必ず寿命がやってくる。


重要無形文化財保持者に指定された「児玉博氏」が彫り上げた中でも
最高傑作と呼ばれる「微塵(みじん)縞」は、型彫の中でも一番難しい
とされる縞よりも
さらに細い3センチの中に31本の縞があるのです。


31本の縞ということは、実際には62本の線を引いているということ
になり、この微塵縞の場合1ミリにつき縞一本。
0、4ミリ彫って0、6ミリ残すという割合が染め上げたときの一番美しい
縞になるというのです。


この0、1ミリの差をすべて経験と勘で見分けるのは簡単なことではなく、
「児玉の前に児玉無し、児玉の後に児玉無し」と言わる所以なのでしょう。




その微塵縞に、あえて不均等に点を付けて木賊の柄に見立てた希少な
江戸小紋に合わせた帯は洛風林の丸葵文。


漆箔の適度な光沢と、お太鼓部分にのみ刺繍を施し立体感を
表現してくれています。









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「竺仙 江戸小紋展」
ありがとうございました。

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