別誂すくい名古屋帯


京都西陣まこと織物に別誂すくい名古屋帯を依頼し、見事な表現にて
織り上がりとなりました。


すくい織はインカ製、コプト製、正倉院裂に見られるように非常に
古い歴史を持ち染織がその展開と共に各地に多様な伝統を作りながら
現在の西陣織の代表的な織物に至っています。




すくい織は手機にて、綴織の技法と同じように経糸を通して下絵を
見ながら、小さな杼(ひ=緯糸を通すシャトル)で経糸の間をすくい織る
ところから名付けられています。


すべて指先の技巧だけで、爪やつけの櫛で緯糸をかきよせながら織るので、
斜め波形なども自在に流して織り上げることができます。

技術者には絵心や洗練された感覚が要求され、ひとすくいひとすくいの
杼に丹誠込めて気品高い逸品を完成させています。





図案となったのは茶碗の絵柄。


南蛮船がモチーフなのか、立ち寄った茶道具屋に飾ってあった茶碗に
引き寄せられ、一目見て「すくい」が良い!と勝手に帯にしたいという
思いが先に立つ。



早速、まこと織物の図案部に依頼をし下書き図案を何パターンか描いて
もらうことにする。
茶碗の絵付けには円形の縁があったところ、船の背景を波にしてみたり、
暈しに変えてみたり。


最終的には絵付けそのままの円形が一番しっくりと、船を邪魔せず
帯の太鼓にしたときに一番綺麗に見られると感じ、ほぼそのままの
墨上げにして依頼をすることに。





前柄も茶碗の絵付けにあった帆をアレンジして使用。
お太鼓柄がインパクトある南蛮船から、前柄はシンプルに線描きに




グレーから墨色に擦れ変わる表現を上手くすくい織で表現する、
まさに日本の技がここに見られます。








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